トラウマやパニック障害で悩んでいる方の中には曝露療法を使って克服しようかと考えている人もいるかも知れません。
しかし暴露療法は一長一短あるのでそれらを理解した上で採用する必要があります。
そこで本記事では曝露療法はトラウマの克服に本当に効果があるのか、そしてその長短をご紹介しています。
トラウマの克服に暴露療法を検討中の方は必見です。
このページの執筆者(大川)の自己紹介
- 中学生の時のキツいイジメに遭う
- 以来、「トラウマ、引きこもり、抑うつ、対人恐怖症」等を経験する。
- 克服を試み色々試すも、根本は克服できず、10年近く悩む。
- ある時、世界権威が開発したマイナス感情・記憶克服法に出会う。
- 「世界一の方法だ!」と、一国の心理学会長までもが絶賛するその方法を学ぶと決意。
- それを学び生涯悩んできたトラウマ・恐怖症等が半日足らずで完治克服できた。
- 日本にこの方法を広めようと、メンタルクリアプログラム©(MCP©)を開発
- トラウマ克服、恐怖症克服、イライラ解消等を含む何十人もの精神的問題を解決してきた。
- 現在に至る
暴露療法とは
まずそもそも暴露療法とは何でしょうか?
端的にご説明します。
暴露療法とは、不安や恐怖の原因となる対象の刺激物に段階的に触れていくことによって慣れていき、不安や恐怖を感じなくする方法です。
この手法は行動主義心理学の主要概念、「パブロフの犬」でお馴染みの「古典的条件づけ」をベースとする方法論です。
確かに慣れていくことで不安や恐怖を消すことが可能です。
そしてそうした慣れは意図的に作っていくことが可能です。
スポーツでも勉強でも、何度も何度も繰り返すことで慣れて思い通りの反応を意図的に作っていくことができますよね。
トラウマや不安も、安全な状態で慣れていくことで、無意識が「なんだ、危険じゃないじゃん」といって学び、慣れていくことが可能です。
そしてこうした慣れを作っていく方法、それがこの暴露療法です。
トラウマを克服する上で理解必須な無意識の役割7つとは?
トラウマを克服する上で、無意識にの役割に関する知識は必要不可欠です。このページではまだ無意識の役割をまだ完全に理解できていない方向けに、無意識の重要な役割7つについて解説しています。無意識の役割について知りたい人は必見です。
暴露療法のメリット
まず暴露療法のメリットをご紹介します。
それは至ってシンプルです。
「慣れ」を作ることさえできればトラウマの克服につながるという点です。
小学校、中学校、高校、大学、社会人と新たなステージに立つ前、誰しも不安や緊張を経験したのではないでしょうか?
しかしそうした不安や緊張も、慣れていくに連れていつの間にか消えて無くなっていました。
これと同じで、トラウマや恐怖の対象物も、慣れることができれば克服に繋がります。
そういう意味では、「慣れ」を確実に作り出すことさえできればトラウマの克服につながります。
これが暴露療法のメリットです。
一流のセラピストは暴露療法を使っているか?
では暴露療法のデメリットを解説する前に、結論をお伝えします。
それは一流のセラピストはそのプラクティスにおいて暴露療法を活用しているのでしょうか?という疑問に対する答えです。
そして結論は「使っていない」です。
何故なら、暴露療法には後ほど解説するようなデメリットが含まれており、芳しい成果がなかなか得られないからです。
もちろん、世の中には未だに暴露療法を活用しているセラピストや精神科医もいらっしゃいます。
しかし一流は使っていません。
一流は常に「より良い方法」を模索します。
そして幸い世の中には曝露療法よりもはるかに優れた方法論もあります。
そのため、「より良い結果を出したい」と模索する一流たちはそうした方法論に行き着き、それを使うようになります。
ではどのようなデメリットが暴露療法にはあるのでしょうか?
それを解説します。
暴露療法のデメリット
デメリット1.時間がかかりすぎる
1つ目のデメリットは時間がかかりすぎることです。
何故時間がかかるのでしょうか?
理由は2つあります。
1つは暴露の管理が大変であることです。
暴露療法は、危険と勘違いしているものに、「危険じゃないよ」と安心できる環境下で徐々に段階的に触れていくことで、慣れさせていく方法です。
つまり「危険物」の露出は少しずつ、少しずつ行う必要があります。
露出度1~100あれば、「1→2→3→・・・→98→99→100」と、少しずつ露出していきます。
でないと、いきなり露出度80にしてしまうと、瞬く間に「怖い怖い」と感じてしまいます。
そうなると、「慣れる」事ができません。
そしてそのように段階的に慣らしていく必要があるので、時間がかかります。
時間がかかるもう1つの理由は、無意識は本来変わらないようにできているからです。
これは習慣を変えたい、自分を変えたいと思ってトライしたことがある人は感じたことがあるはずです。
そのように決心しても、三日坊主で結局習慣を変えられない。
そのような経験はありませんか?
要因は様々ですが、本質は「無意識は変わりたくない」という現状維持の性質があるからです。
そしてこれは曝露療法における際も同じです。
「▲▲は危険だ」という認識を変えたくないのです。
だからその性質に抗って変えようとしても一筋縄ではいかず、なかなか変えられません。
デメリット2.行動が必要で、施術中に完結できない
2つ目のデメリットは施術中に完結できない点です。
例えば広場に対するトラウマの場合、実際に広場に行く必要があります。
セラピストのクリニック内では完結できません。
実際にその場に行く必要があります。
或いは特定の対象人物にトラウマがある場合も、その人と接する必要があります。
しかし相手が協力的であれば、曝露療法ならではの「段階的な触れ方」ができるかもしれません。
しかし当然トラウマの対象の全てが協力的であるとは限りません。
このようにクライアントとカウンセラーの会話だけで成立できないことがある。
それがこの暴露療法のデメリットです。
デメリット3.特定の対象(不安や恐怖)にしか使えない
3つ目のデメリットは特定の対象しか使えない点です。
精神科やカウンセラーの元に訪れる患者の悩みは、何もトラウマや不安ばかりではありません。
各種のマイナス感情(怒り、悲しみ、罪悪感、劣等感、虚栄心、空虚感)を起因とした様々な悩みがあります。
しかし暴露療法で扱える問題はトラウマや不安のみです。
もし仮にこれを読んでいるあなたが多大なリソース(時間・お金・労力)をかけて暴露療法を学んでも、扱えるのはトラウマ・不安のみです。
しかし世の中には、たった1つの方法論で全てのマイナス感情を処理できる方法があります。
それを学べばトラウマ(恐怖や不安・緊張)のみならず、怒り、悲しみ、罪悪感、etc.など、マイナス感情と呼べるものはすべて扱うことが可能となります。
その一方でトラウマや不安しか取り扱えない暴露療法の達人となった所で、適用範囲は限られます。
これが暴露療法のデメリットです。
曝露療法とそれにまつわる書籍の紹介
ただ、そう入っても中には知りたいという方もいるかも知れません。
実際知っていて、「損になる」ものではありません。
そこで暴露療法やそれにまつわる関連書籍をここで紹介しておきます。
暴露療法と関連書籍1.セラピストのためのエクスポージャー療法ガイドブック
暴露療法と関連書籍2.森田療法
暴露療法と関連書籍3.Time Line Therapy: and the basis of personality
~参考図書~
Time Line Therapy: and the basis of personality
私の恩師が執筆している本です。英語が分かる方には極めて、そして全力でおすすめします。これは「トラウマの克服において世界一の方法論だ」と呼び名が高い、タイムラインセラピーの生みの親、タッド・ジェームス氏が執筆しています。トラウマ克服のための方法論として当社が販売・提供しているメンタルクリアプログラム©の元となる方法論です。当書籍では厳密で詳しい方法は書いていませんが、関連する知識が得られるのでオススメです。
暴露療法よりも優れた一流の方法論とは?
世の中にはありとあらゆる心理的(精神的・感情的)悩みがあります。
そしてそのいかなる悩みや問題も解決に導く一流のセラピストは必ず先述のタイムラインセラピーを学び、日々使っています。
何故なら、あらゆる心理的問題や悩みは、情動記憶を解消・克服することで、完治するからです。
そして情動記憶を解消・克服する世界一の方法はこのタイムラインセラピーだと言われています。
タイムラインセラピーがどれほどトラウマ克服に効果的かを示す例はこちらの記事をご参考ください!
どれほど重度のトラウマでも克服できるのか?
どれほど重度のトラウマでも克服できるかを知りたいですか?このページでは過去の実例を元に解消できたトラウマの重度を引用形式で紹介しています。どれほど重度のトラウマでも克服できるかを知りたい方は必見です。
まとめ
以上、本記事では、トラウマ克服における一つの方法論、曝露療法について解説しました。
欧米でも暴露療法はほとんど用いられていないようです。
何故ならその道何十年の精神科医や心理カウンセラーでも、曝露療法で思い通りの効果を上げることができないからです。
しかしその一方で、タイムラインセラピー及び、それを日本語に直したメンタルクリアプログラムでは、心理学の知識ゼロの素人ですら、自分や他人のトラウマを克服させることが可能です。
トラウマを克服したい方は一度学んで実践してみてはいかがでしょうか。
トラウマの克服完全マップ【初級・中級・上級13記事+αで解説】
トラウマ克服の基本的なことから応用的な深い知識を学びたい方向けです。このページでは、正しく確実な方法でトラウマを簡単に克服する上で重要な知識を限りなく網羅的にまとめました。トラウマに悩み、克服したい方は是非最初から一つずつ御覧ください。
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